兄弟で理解力に差が出た趣味
とても印象に残った兄弟について書きたいと思います。
その兄弟は15年ほど前に、同じ区立の小学校を卒業し、同じ区立の中学校に通う、中学3年生と中学1年生の兄弟でした。
2人に共通していたのは、小学校で漢字テストや計算テストをほどんど行わずに中学校に進学したため(本人たちの話では学級崩壊が原因で)、物を覚えたり、計算することに慣れておらず、どちらも数学では文字式の復習から行う必要がありました。
Kゼミに通い始めの頃は、兄弟共にゆっくりとした進みでしたが、1か月後から差が出始めました。
兄弟共に、面積の式は縦×横というのは理解できており、A×Bは、ABという文字式の法則も理解しているのですが、「縦がAcmで、横がBcmの長方形の面積をAとBを使って表すと?」という問いに対して、弟はすぐに解答できるのですが、兄は何も考えられず、解答できません
なぜ兄の方だけ答えることが出来ないのか、色々と対話して分かったことは、ある程度、問題文が長くなると理解出来なくなるということでした。「縦がAcmで~」という短い問題文でも、彼の頭はオーバーフローしてしまうのです。
物を覚えることだけでなく、文を読んで理解する能力も発達せず15才まできてしまったわけですが、一方、同じよう環境で育った弟は、逆になぜ兄が理解できなかった文章題を解答できたのか?
その答えは、「漫画」でした。
兄の趣味は動画鑑賞とオンラインゲームで、弟の趣味は漫画。弟は「ワンピース」の大ファンで、部屋中にワンピースのグッズを置き、お気に入りのキャラのセリフも暗唱できるほど入れ込んでおり、ワンピースの話になると、熱を込めて語りだします。
弟の「漫画を読む」という行為が、文章を読んで理解することに繋がり、また漫画の登場人物を覚えたり、ストーリーを理解することも、脳を鍛えるのに役立っていたと思われます。
兄は他者とのコミュニケーションが、オンラインゲームのチャット等、短い文でやり取りすることが多く(直接対話することがほとんどない)、そのために理解力や読解力が育たなかったことも考えられます。
漫画を読むという行為は、アニメや動画を見る「受動的」な行為と異なり、自ら情報を取りに行く「能動的」な行為です。
昔は、「漫画なんか読んでいないで勉強しなさい !」と子を叱る親が多かったですが、本を読む習慣のない子供に、まず文字を読ませる訓練として漫画を読ませることは有効な手段だと思います。
読解力を上げるためのお勧めの漫画は、セリフと登場人物が多く、ストーリーがやや難解なものが好ましいですが、セリフが少ない(文が短い)スポーツ漫画やアクション漫画も、困難な状態でも諦めない等、心の成長に適している部分もありますので、分野を問わず本人が興味を持った漫画を読ませると良いでしょう。